何かとらしさや回帰の流れのムードがある昨今。
戻ってみたり、見直したり、整えたり。
そんな時に必ず手に取る本がある。
今から20年以上前のこと。
当時、パトリスさんはレストランを経営されており、お洒落なライフスタイルが注目されたりしていてエッセイスト、料理人など様々な顔もちながら多方面で活躍されていました。
「ル・クルーゼ」の鍋を知ったのもこの方からというひとも多いのではないでしょうか?
この本には彼の美意識のフィルターを通した食から住まい、ファッション、人間関係、生き方に至るまでどうしたら自分が心地よくいられるか、どうやったらワクワクするような気持ちになれるかと言ったヒントがたくさん書かれています。
「アート」と聞くと高い壁が立ちはだかる気がしてしまう方も多いと思いますが、生活の中で例えば小さなお部屋だとしても、並ぶ雑貨の配置を換えてみたり、ご飯をお皿に盛り付けてみたり、机のうえに花を飾ってみたり、間接照明をつけて過ごしてみたり。
そういう「ささいな生活のなかにでもクリエイティブ(ART)はある」ということだったのだと気づきます。
それは誰かに見せたいことではなくて、見られなくてもいい「幸せ遊び」みたいなことなのかもしれません。
モロッコ生まれのフランス人、パトリスさんの視点で書かれるエッセイ。
春の夜に一編ずつでも読んでみてはいかがでしょうか?